C300の弟分として発売されるCanon EOS C100を借りて、Steadicam Merlin 2に載せて撮影テストをすることが出来ました。さっそく弊社ステディカム担当が実機についてのレポートをお届けします。
●C100:カメラ各部の操作性
ハンドグリップはホールド感が良く、角度を変更できるのでローアングル撮影の際には重宝しました。
液晶パネルがカメラ後部にあるため、トップハンドルを使用するより、ハンドグリップとレンズとを両手で保持する方(一眼レフの撮影スタイル)が安定します。
ハンドグリップを外した際のレンズマウント脇のRECボタンの位置が絶妙で、フィルム中判カメラの名機ハッセルブラッド500シリーズを彷彿とさせます。
モニターについては、可動式液晶パネルが解像度も高く視認性も良好なだけに、内蔵ビューファーはやや寂しい感じです。
●C100:カメラの映像
C300譲りのセンサーは、S/Nが良く、高感度特性も申し分ありません。収録コーデックがAVCHDなのでグレーディング耐性は不明ですが、ピクチャースタイルの選択についてはEOS一眼レフと同様にカメラ側に色作りを任せてしまい、後からのグレーディングは最小限、あるいはしない方が好ましいと思います。そうやってJPEG的な感覚で軽快に録るのがこのカメラの用途に適していると思いますし、グレーディング前提であれば外部収録機を使って非圧縮コーデックで収録する事が望ましいと思います。
●Steadicam Merlin 2との組み合せ
単焦点レンズ(EF24mmF1.4L)を装着して、Steadicam Merlin 2と組み合せてみました。やや重心が高い感じはするものの、ハンドグリップを外すと左右バランスが取れて、このMerlin 2との相性はバッチリです。C100はカメラ本体にNDフィルターを内蔵しているので、フィルター着脱による前後バランスの変化がなく、撮影現場で非常にラクでした。
またSteadicam Merlin 2はハンドヘルド(手で持つ)のスタビライザーなので、小型軽量なC100のボディデザインの長所をフルに活かすことができます。普通の歩行だけでなく早足や階段昇降など、中型機ではそれなりの準備が必要なところをスキップしてサッと撮影できるのが便利です。
いずれにしてもC100 + Merlin 2は、シネマEOS上位機種とSteadicam上位機種にハードルを感じていたユーザーにむけての「シネマエントリー」として最適な存在で、従来のレンズ資産を活かせるためにぜひスチル写真家にもお勧めしたいコンビネーションです。