Steadicam Zephyr運用事例/小林正英氏-1-

カメラマン小林正英氏から、ステディカムを運用したレポートをいただきました!全3回に分けてご紹介いたします。
1回目はNHK「世界ふれあい街歩き・アルゲーロ編」「世界ふれあい街歩き・タオルミーナ編」の撮影事例です。


NHKでの放送が10年以上続く、ほぼ全編がステディによる旅人目線映像だけで進行していく番組で、今回のカメラはSONYのPDW-850、ステディカムZephyrとの組み合わせです。
長距離を移動しながらの撮影なので、ステディカムを置くためのスタンドを持ち歩くことが困難で、機材を最小限にとどめないと、狭い路地歩きなどにも支障をきたします。
なにより、いきなり出会った人々の自然な表情を拾っていくドキュメンタリーですから、その為にはステディカムを自立させる工夫も施しています。

番組全体が1日の出来事という構成ですから、朝の陽射し、夕景、夜景など一番良い時間帯を切り取っていく作業に気を配りますが、特にナイトシーンでは、1日で15分くらいしか無い白暮を狙いますので、毎日白暮で撮影したわずかなカットを繋ぎ合わせひとつのシーンに仕上げていきます。

今回のイタリア・サルデーニャ島のアルゲーロでは地中海に沈む夕日も見所なのですが、とある路地で出会ったお母さんとお話をしている最中に次々と姉妹が現れ、最終的には凄い人数の家族が集合していく様子や、島の特産である赤サンゴを捕る漁師やそれを加工して売るお店の家族との出会いなども見所の1つです。

番組は2本撮りでしたので、シチリア島のタオルミーナでもロケをしています。
10人乗れないくらいの小さな船で、映画グランブルーの撮影場所や様々な海の景色を巡るツアーに同行した際には、あまりの船の揺れでアームが本体の根元から外れてしまい、アームの付け根部分がねじ曲がってしまうというハプニングもありました。
現地で調達した工具で応急措置をして難を回避しましたが、逆に言うと、人が立っていられないほどの酷い揺れのある状況下でも撮影が可能で、どこででも調達出来る工具で回復してしまったステディカムのタフさには驚かされました。

タオルミーナでの見所ですが、山とビーチを両方楽しめる地形にあります。

撮影するには、ずっと階段を登るか下るかしている訳で、ステディカムにとっても身体にとっても決して簡単ではありませんが、街の先に見える海の景色を堪能してもらえると幸いです。

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「世界ふれあい街歩き」
NHK-BSプレミアム
毎週火曜日 20:00~21:00
[再放送]
翌週水曜日 8:00~9:00
翌々週月曜日 23:45~0:45

アルゲーロ編は2018年1月30日OA済
タオルミーナ編は2018年2月20日OA済
再放送の発表はNHKホームページ内で。
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小林氏の他の運用事例もぜひご覧ください。
Steadicam Archer2運用事例/小林正英氏-2-
Steadicam Zephyr運用事例/小林正英氏-3-


<プロフィール>
小林 正英
日本映画学校卒業後、映画、CM、テレビ撮影に携わり、現在フリーランスのカメラマンである。

NHKの「美の壺」や「英雄たちの選択」などの担当機会が多い。
現在、NHK 4Kドキュメンタリー「蘇る太陽の塔」制作中(2018年3月放送予定)


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